ドリー夢小説
明日になれば、またいつものように逢えるって思ってたんだ。
「ヒバリがやられた」

その言葉を聞いたとき、随分な冗談だなとあたしは思った。
昨日から恭弥は並盛中の生徒を襲う首謀者のアジトに乗り込みに行っていた。
またいつものように敵を壊滅させてきてくれて、
また平凡な一日が訪れるだろうと感じていた。
だが、いつもとは違うことがあった。
・・・帰りが遅い。
翌日となった現在でも帰ってくる気配がまるでない。
“ヒバリが敵にやられた” なんて言ってる生徒も多数いた。
でも、あたしはひたすら信じていた。
“かならず無事でいる”と。
「そんなワケ・・・ないじゃん」
友達からその言葉を聞くたびにそうやって苦笑いして返した。
でも・・・どうやらその冗談は本当のようだった。
黒曜中って中学の人はすごい強いらしい。
「ヒバリが乗り込んだところは黒曜ヘルシーランドらしい」
それを聞いた時、あたしの足はもう駆け出していた。
背後から友達の制止する声が聞こえる気がしたが、振り切った。
ただ、もう一度元気な姿で会いたくて走った。
バスを乗り継いで海の見える隣町までやってきた。
バス停から降りて少し歩くと、目の前に広がったのはもうすでに廃墟となった
ヘルシーランドだった。土砂崩れにでもあったのか中は見るも無残な姿になっていた。
本当に・・・こんな所に人なんているのか、と疑う程だった。
だけど、もう来てしまったんだ。信じて進むしかない。
"Danger!!"
と古びた板に書いてある文字を無視して強引に柵を飛び越えた。
「嫌な感じ・・・・」
誰もいない、何も音がしない、寒気がする。
そのまま進んでいくと大きな建物が姿を現した。
建物の玄関らしきものの近くには何十人も人が流血して倒れていた。
よく見るとそれは何かで殴られたあとのようなものだった。
確信した。これは恭弥のトンファーに違いない。
・・・この奥にいるはず・・・
高鳴る鼓動を抑えながら、再び足を進めた。
いきなり視界が開けたと思うとそこは大きな部屋になっていた。
地べたには無残にガラスの割れた破片や木片が散らかっていた。
「恭弥・・・?どこ?」
あたりを見回しても誰もいない。・・・ここじゃなかったんだ。
「おや?これは珍しい客ですね」
ぞっと背筋が凍りつくような感覚に陥った。
後ろを振り返ると赤と青のオッドアイの瞳が印象的な黒曜中の制服を着た
同じくらいの年齢の少年だった。
「誰・・・?」
「僕は六道骸です」
「恭弥は・・・どこ?」
「どこかに幽閉されてます」
「っ・・どこ?!教えて!」
錯乱してたのか、その六道骸と名乗る少年の胸倉を掴んでしまった。
普通だったら、このいきなりの行動に驚くのが人と言うモノだろうけど
その男の子は・・・笑っていた。
不思議でしょうがなかった。
何故、そうも楽しそうなのか。
「予想以上に面白いですね。さん」
「なんで、あたしの名前・・・・」
初対面の筈だ。今まで生きてきた中で一度も会った事はない。
なのに・・・どうして・・・?
「全て調べはついてますよ。貴女がここに来ることも」
「なっ・・・・」
「それに…雲雀恭弥の恋人であることも」
にっこりという言葉がそのまま当てはまりそうな微笑を見せると
さらにあたしに歩み出た。咄嗟に逃げようとしたけど足が震えて
動けなかった。六道骸はクフフ・・・と今度は独特の笑みを浮かべると
あたしの顎を片手で持ち上げた。
「僕が、怖いですか?」
「っ・・・・」
やっぱり、体は動かない。頭の中のあちこちで『危険』という信号を出しているけど
体は答えようとしない。まるで石のように固まり呼吸さえままならない。
オッドアイの瞳に捕らえられているような感覚だ。
そんなあたしが分かってるのか、六道骸は更に笑みを増すと自ら顔を近づてきた。
「んっ・・やっ!!」
最初は軽いキスから段々と無理やり舌をいれられる深いものへと変わった
背中がぞっとするような感覚に襲われた。
全身で六道骸を拒否するのが分かる。
このまま抵抗しなければ自分の身が危ない。
そう頭が判断した瞬間すぐさま体が動き全身全霊の力で骸の胸を押し返した。
だが、男と女の差は大きくそんなことでは微動だにしなかった。
反対に腕を掴まれてしまい強く抱き寄せられた。
そして、首筋に痛みに似た快感が走った。
「っ・・・ぅ」
「雲雀恭弥が見たら・・・どう思いますかねぇ」
口元に手をやると、やはり今までみたいに笑った。
目尻にじわりと無意識に涙が浮かんでくるのがわかる。
ああ・・・もうきっと、あたしが恭弥に会う資格なんてないよね。
ごめん。できるなら、もう一度きみと過ごしたあのくだらなくて幸せな日々に戻れたらな。
こんな時でも、君を想う。
いつか君が言った。『、バカでしょ。』
その時はふざけて『違うもん!』なんてふたりで笑ってたりしてた。
でも、本当だったみたい。
四六時中、いつだって。

(Dear eternal you.)060726